パンデミック制御に資する先制医療基盤の開発
医学研究院 教授 福原 崇介

研究の背景と目的

グローバル化に伴いウイルス感染症の伝播速度は加速の一途を辿っています。2003年の重症急性呼吸症候群(SARS-CoV-1)、2009年の新型インフルエンザウイルス(H1N1 Influenza virus)、2019年から現在に至るまで猛威を振るい続けている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とウイルス感染症がもたらす影響は長期的かつ甚大です。本研究開発は、北海道大学の若手研究者を中心としたチームによって、パンデミック制御に資するウイルス感染症の研究開発基盤を構築し、将来の新たな新興感染症にも対応する研究プラットフォームを整備するために研究開発を実施します。

研究内容

① 臨床検体、臨床情報の収集とウイルスゲノム解析北海道大学病院、国立病院機構など本学関連の多施設大規模病院が連携することによって新型コロナウイルス患者の臨床検体、臨床情報を収集(豊嶋)

② 変異ウイルス作製・性状解析臨床検体から得られたウイルスゲノム解析結果をもとに、市中に蔓延する変異ウイルス、さらに将来出現する変異まで網羅する変異ウイルスを作製(福原)

③ 免疫系解析新型コロナウイルス患者検体からの血液単核球、血清を用いて診断・予防・治療に供する免疫細胞集団、標的分子候補の同定に加え、予後・後遺症診断、次世代ワクチン開発も視野に入れた上で解析を実施(久保田)

④ マイクロ流体デバイス技術を用いた超早期診断法開発独自のマイクロ流体デバイス技術を用いて臨床検体から診断・予防・治療に供するウイルス、感染細胞由来の細胞外小胞を解析することで超早期診断標的候補および創薬標的候補の計測系を作製(真栄城)

研究チーム構成

左から、遺伝子病制御研究所 久保田晋平 特任講師、医学研究院 福原崇介 教授、工学研究院 真栄城正寿 准教授

実績報告

関連リンク

研究室ウェブサイト