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プロジェクト

当センターが支援しているプロジェクトを紹介します。

DIWATA-1 & 2 / MicroDragon / RISESAT / RISING-2 / UNIFORM-1 / GLIMS

DIWATA-1 & 2

DIWATA-1(diwataはフィリピン語で妖精という意味)は、フィリピン科学技術省(DOST)、フィリピン大学ディリマン校、東北大学、北海道大学が共同開発した50s級の超小型衛星で、JAXAが提供する打ち上げ機会を利用し、2016年3月23日(日本時間)に米国フロリダ州より打ち上げられ、同4月27日20時45分頃、国際宇宙ステーション・「きぼう」日本実験棟から放出されました。フィリピン初の国産衛星であるDIWATA-1は、フィリピン科学技術省から派遣された若手エンジニア達が中心となり、東北大学・北海道大学がその開発・製造を、JAXAは打ち上げから軌道への放出にいたるまでの作業を担当しました。このようなフィリピンの宇宙開発の歴史に刻まれる記念すべきミッションの成功に4者が連携・貢献し、日本とフィリピンの緊密な協力と宇宙の平和協力を実現しました。

DIWATA-2は、DIWATA-1の後継となる50s級の超小型衛星で、2018年10月29日(日本時間)に独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH-IIAロケットによって打ち上げられました。

DIWATA-1DIWATA-1放出時の写真(Tim Peake宇宙飛行士がISSにて撮影・image credit: JAXA/NASA)

DIWATA-2DIWATA-2

MicroDragon

MicroDragonは、国際協力機構(JICA)とベトナム政府が2011年11月に調印した円借款契約における地球観測衛星による災害・気候変動対策技術の高度化や防災対策の具体化の一環として、開発される50kg級の超小型衛星です。日本の北海道大学・東北大学・東京大学・慶応大学・九州工業大学の5大学が連携して、2011年に設立されたばかりのベトナム国家衛星センター(VNSC)の若手職員を受け入れ、超小型衛星MicroDragonの開発を題材として教育を行います。北海道大学は搭載されるリモートセンシング機器の開発を担当し、衛星はJAXAの革新的衛星技術実証プログラム(イプシロンロケット)による2018年度の打ち上げを目指しています。

MicroDragonMicroDragon

RISESAT

RISESAT(Rapid International Scientific Experiment Satellite)は、東京大学の中須賀真一教授が中心となって実施されている内閣府・最先端研究開発支援プログラム「日本発の『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」において、4年間で5機を打ち上げる衛星計画の2号機です。RISESATは東北大学が開発主担当を努め、北海道大学と連携しつつ、その他関連機関の支援を受けながら、JAXAの革新的衛星技術実証プログラム(イプシロンロケット)による2018年度の打ち上げを目指して開発が進められています。RISESATのミッションは、信頼性を保ちつつ短期・低コストで開発するという超小型衛星の特徴を活かしながら国際理学観測を遂行することであり、海外の機関から選定した理学機器が衛星に搭載されます。北海道大学は主に海外機関との調整や、先端的なリモートセンシング技術の支援によってRISESATの開発に貢献しています。

RISESATRISESAT

RISING-2

RISING-2(雷神II)衛星は、スプライト・雷放電や積乱雲、惑星の観測を目的とした大きさ50cm×50cm×50cm、重量43kgの超小型衛星です。このプロジェクトは平成21年度の「文部科学省・超小型衛星研究開発事業」に採択され、科学観測の立案と衛星搭載機器を北海道大学が、衛星バスを東北大学が担当し、2014年5月24日に独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH-IIAロケットによって打ち上げられました。スプライトとは、雷雲の上で光る発光現象のことで、いまだにその正体はほとんど解明されていません。400色の撮影ができる高精度望遠鏡(地上で5mの解像度)や、冷却装置なしで赤外線観測のできるボロメータカメラなど、地球観測衛星初となる新技術が応用された観測機器が搭載されています。

RISING-2RISING-2

RISING-2の写真完成したRISING-2

UNIFORM-1

UNIFORM(UNiversity International FORmation Mission)は、超小型衛星のコンステレーション(複数衛星による協調観測)による高頻度な地球観測の実現を目指す衛星ミッションです。また、アジアなどの宇宙新興国との協力によるキャパシティ・ビルディングと組み合わせた研究開発の実施しています。このプロジェクトは、和歌山大学を代表機関として平成22年度の「文部科学省・超小型衛星研究開発事業」に採択されました。北海道大学が開発するボロメータカメラによる衛星からの赤外線観測で地上の熱異常を検出し、森林火災・草原火災・泥炭火災などの「Wildfire」を早期に発見し、火災発生位置の情報を提供します。これはインフラの整っていない地域における消火活動にとって極めて有効な情報であり、衛星の数が増えるほどより早く発見することができます。1号機であるUNIFORM-1は、RISING-2と同時にH-IIAロケットで2014年5月24日に打ち上げられました。

UNIFORM-1UNIFORM-1

GLIMS

GLIMS(Global Lightning and sprite MeasurementS on JEM-EF)は、国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)の日本実験モジュール(JEM:Japanese Experiment Module)曝露部 (EF:Exposed Facility) に搭載された観測機器です。雷放電が起きた時にその上空で発生するスプライトの観測を国際宇宙ステーションから行い、発生メカニズムの解明を目指しました。GLIMSは、スプライト及び雷放電を観測するための4種類の観測器から構成されており、そのうちイメージャとフォトメータの製作と全体のとりまとめを北海道大学が担当しています。ポート共有実験装置(MCE:Multi-mission Consolidated Equipment)に組み込まれたGLIMSは、H-IIB/HTV 3号機によって2012年7月21日に打ち上げられ、7月28日にISSに到着したのち、8月9日に日本実験棟「きぼう」の船外プラットフォームに宇宙飛行士によって取り付けられ、観測を開始しました。約3年にわたる軌道上運用を終えたのち、ISSを離脱し、2015年8月30日に地球大気圏中で燃え尽きました。

MCEにおけるGLIMS搭載位置MCEにおけるGLIMS搭載位置

GLIMSの写真GLIMS