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システム改革

未来創薬・医療イノベーション推進室によるプロジェクトマネジメント


PDCA

 本事業は3年目の再審査を通過して、予算規模が増大するとともに参画する協働機関も増加し、4つのイノベーションハブによる研究開発を拡充展開している。さらにこれらの融合研究開発も促進し、未来創薬・医療イノベーション拠点へと展開している。
 本事業では平成21年度に「未来創薬・医療イノベーション推進室」を設置し、PDCAサイクル等のプロジェクトマネジメント手法を導入するなどにより、拠点化構想実現への推進と事業の支援を担当することとした。また、本推進室の分室として医学研究科内に「医療イノベーション事業支援室」を設置した。
 プロジェクトマネジメントの一環として、諮問委員会の専門部会として研究評価委員会を設置し、各研究テーマの取り組みに対して学術的な観点でチェックを行い、必要な助言を受ける体制を整えた。研究評価委員会は本事業の関連分野の有識者6名から構成され、各研究テーマの研究評価について諮問委員会において報告を行っている。諮問委員会では、本事業全体の現状および方向性について報告して諮問委員から改善点等の助言(PDCAサイクルのC,Check)を得、この助言に基づき次年度の研究体制の改善(PDCAサイクルのA,Act)を行っている。
 また、北海道大学病院においても本事業への更なる参画を推進し、高度先進医療支援センター内に「創薬イノベーション支援室」を設置した。本支援室では、臨床医を対象とした特別講演会を開催して病院研究者とのマッチングを促したり、大学病院を活用してベッドサイドでのアンメットメディカルニーズの掘り起しを新たに開始するなど、「臨床基盤創薬」活動に取り組んでいる。また、本支援室は推進室とともに融合研究の推進に積極的に関わるとともに、臨床研究への橋渡しを仲介する役割も担っている。
 これらの業務を通して「未来創薬・医療イノベーション推進室」は研究推進・支援を担い、本事業に参画する研究者とも密接なコミュニケーションを取りながらプロジェクトの加速充実に努めている。加えて、このような活動を通して、産学連携人材およびリサーチアドミニストレーター人材の育成も行っていく。


拠点の整備状況


1.「次世代ポストゲノム研究センター」および医学研究科連携研究センター「フラテ」の設置

 学内の比較的出口に近い課題に焦点をあて、長期的かつ特色ある先端研究並びに戦略的研究の推進と研究成果の積極的な発信により、産学連携による共同研究推進を行うことを目的として平成18年度に「次世代ポストゲノム研究センター」を設置・組織化した。また医学研究科連携研究センター「フラテ」を設置し、学内措置により医師以外の専任教員を配置し、病院内に日立製作所の研究室を設置した。これらの改革により医学と他領域、病院と企業の研究者が机を並べる環境を実現した。平成21年5月には、遺伝子病制御研究棟2階のオープンラボに日立製作所との協働による「分子イメージング講座」を開設した。日立製作所からの客員教員及び客員研究員の執務スペースとして運用中で、北大教員との連携を強化している。


2.北キャンパス地区に企業による共同研究施設の建設

 塩野義製薬は次世代ポストゲノム研究棟に隣接する北大北キャンパスに、延べ面積2700u(5階建)の共同研究棟「シオノギ創薬イノベーションセンター」を建設(平成20年4月竣工)。塩野義製薬内に本イノベーション事業を担当する新たな組織「創薬イノベーションセンター」を設置し、同センターでの北大との研究開発事業を速やかに展開するための基盤を形成した。塩野義製薬側から現在約20名の研究員が派遣されている。土地の賃貸等は期間20年の事業用定期借地契約による有償貸付で、建物は期間満了後、北大に無償譲渡される予定である。本センターは国立大学法人のキャンパス内に初めて建設された民間企業の本格的産学協同研究施設である。


3.住友ベークライト株式会社、日本メジフィジックス株式会社、三菱重工業株式会社の参画

 アレイ化技術を有する住友ベークライト株式会社、RI標識技術と放射性医薬品の実用化力を有する日本メジフィジックス株式会社、放射線治療技術を有する三菱重工業株式会社を事業4年目から加え、技術移転・実用化を強化し、1)標的分子探索の加速と早期の実用化、2)創薬プロセスの短縮とRIプローブの実用化、3)高精細機能画像に基づく高精度放射線治療装置の開発・実用化を促進している。住友ベークライト株式会社による寄付講座を次世代ポストゲノム研究センターに置き、日本メジフィジックス、三菱重工業に対しては医学研究科東北研究棟、アイソトープ総合センターを協働研究の場として拡充整備した。


知財管理・研究費管理・機密管理等の体制・取り組み


 企業が研究資源を提供しやすくなるための新たな共同研究契約および秘密保持契約形態の導入、整備をした。


人材育成


〜若手研究者、女性研究者の積極的活用、
 国際公募による優れた研究者の確保と外国人研究者の受入れ体制の整備等〜


1.企業若手派遣研究員に大学院等での教育の機会の提供

 平成18年度に新設された生命科学院において、社会人特別選抜及び外国人特別選抜制度を大学院博士後期課程入試に導入した。また、医学研究科においても協働企業からの研究生・大学院生に対し、創薬・診断技術開発を通した研究者の育成に取り組んでいる。これらの研究者に対し、研究成果を発表する場を本事業主催の国際シンポジウムに設け、若手研究者のインセンティブを高めている。さらに、派遣期間内(1〜2年を想定)、もしくは派遣期間終了直後に博士号が取得可能なように、生命科学院内での内規の検討を行った。


2.大学、企業の研究者が講師となって大学院教育を実践

 大学院教育においては、塩野義製薬内に本イノベーション事業を担当する「創薬イノベーションセンター」のセンター長(北大客員教授)及び同社の研究員等による「シオノギ未来創薬セミナー」を全学大学院共通講義として開講。例年全15回の講義を行っている。また医学研究科では、「分子イメージング―創薬・先端医療への展開―」を開講。こちらも例年全15回の講義を、日立製作所の研究者と医学研究科の教員らが合同で行っている。また、創薬グループと医療グループと協働機関の融合研究を進めるために「未来創薬・医療イノベーション合同セミナー」を開催し、創薬研究成果を、分子イメージング技術を介して医療に応用する融合研究の成果を共有するインタラクティブな人事交流を行い、新たな融合研究のシーズが育つフレームワークを構築してきた。プロジェクト開始以降定期的に取り組んできたこの事業は、平成23年度は、合計9回のセミナーを開催。平成24年度8月現在で、通算68回となっている。上記のような取り組みにより、北大が持つ最先端基盤要素技術と人材を、協働機関が持つ高いバイオ医薬開発、医療機器開発技術とを合流させ、次世代医薬候補品を連続的に創出できる拠点、及び疾患の病態解明や発病発症前診断治療の拠点がそれぞれ大きく創生されつつある。


3.人材の流動化策の導入

 本事業で雇用する特任教員、博士研究員には、いずれも年俸制を導入し、その能力に合わせた雇用を行うことにより、研究・開発のインセンティブの向上を行った。また医学研究科大学院博士課程に「イメージングと治療」に関する英語での講義を開始するとともに、分子イメージング及び放射線治療関係で、優秀な外国人研究員を雇用し、英語を主たる公用語とした研究環境が整えられた。拠点内の大学研究者と外国人研究者は毎日英語での研究・毎週のカンファレンスを行い、国内外からの分子イメージング関係の研究者の訪問も増えている。女性研究者の積極的な受け入れに関しては、女性研究者支援室を設置し、2020年(平成32年)までに女性研究者比率を20%に拡大することを目指し、本事業も含めて積極的に展開した。その他、仕事と育児等の両立を支援する取組として、認可保育園「子どもの園保育園」及び事業所内保育所「北大病院保育園ポプラ」を設置している。


 

 

 

イメージ図

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