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「未来創薬・医療イノベーション拠点形成」事業の
5年間の実績を踏まえ、協働企業との連携を更に強め、
新しい発展をめざす


五十嵐 靖之

北海道大学大学院先端生命科学研究院
次世代ポストゲノム研究センター長
五十嵐 靖之


 北海道大学が本事業に採択されてから6年目を迎えました。医学研究科、それに塩野義製薬、日立製作所、住友ベークライト、日本メジフィジックス、そして三菱重工業の、日本を代表する企業5社と手を携えて進めてきたこのプロジェクトは、創薬研究開発にとっても、ここまでの成果を生かして、協働企業との連携の更なる強化のもとに、如何に具体的な創薬開発につなげていけるか、正念場を迎えています。
 これまでの5年間の取り組みでは特記すべきことがいくつかあります。平成20年4月には、新たなface to faceの産学連携を実現するため、シオノギ創薬イノベーションセンターが完成しました。この建物は次世代ポストゲノム研究センターに隣接しており、文字通り産学一体となり研究が大きく展開され、企業との共同研究が新しい段階にはいりました。本研究棟は国立大学の敷地内に建設された国内初の本格的な民間研究施設として国内外の大きな注目を集めました。このことは産学連携を目指す全国の人々に大きな励ましとモデルとしてのインパクトを与えているものと自負しております。
 研究面では、今年度に企業との検討を重ねて選んだ3つの重点課題、すなわち構造生物学的手法を駆使したFBDDに基づく二つの新規抗菌薬の探索、膜脂質制御による脂肪代謝制御など、新しい創薬につながる成果が生まれつつあります。また「糖鎖のPCR」とよぶべきグライコミクス研究の新手法「グライコブロッティング」の確立に引き続き、これを更にN型糖タンパクだけでなくO型糖タンパクや糖脂質、プロテオグリカンの網羅的糖解析も新たな課題として進んでいます。実用化段階にはいった課題の一部は、他の大型プロジェクトやベンチャーでの開発にスピンオフしたものもあり、本プロジェクト以外にも研究開発の場が広がりつつあります。さらに、企業研究者を講師とする通年の大学院講義セミナーの開催、世界の一流研究者を招聘した数度の国際シンポジウムの成功等、産学連携の質を高め、また世界に向けて発信する活動も進めてきました。私たちは、この日本に新しい先駆的な産学連携システムを打ち立てるために、こうした日々の活動とともに、その「仕組み」や「哲学」を着実に打ち立てつつあるということが言えると思います。
 拠点形成は10〜15年を要する長い挑戦となります。これまでの成果の上に立って、更に果敢にこれを進めて行くためには、新規性の高い世界的な研究成果を具体的な創薬に結びつけてゆくための日々の実践と、これを世界的視野のもとに国際的連携の中で遂行して行くことが求められています。
 最後になりますが、このプロジェクトの成否は、なんといっても、この事業から国際競争力を持った「製品」が10〜15年後に生み出されるか否かで評価されます。そのために事業に参加された皆さんとともに全力を尽くしていきたいと考えています。それを成し遂げた時、私達はこの5年間の出発点での努力が一体何であったかを本当に知ることができるのではと考えております。


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