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拠点化の対象とする先端融合領域及び研究開発

 ヒトゲノム情報解析・ポストゲノム研究など、大規模・網羅的バイオ情報の集積と知的財産化に向けた国際競争と各国大手製薬メーカー合併の動向は、いずれも我が国の将来のバイオ医療産業基盤確保にとって極めて不利な状況にある。しかも時代は、ポストゲノム研究の中心であるタンパク質研究から、その成果をふまえ、糖鎖・脂質・その他の代謝産物などの機能解析を目指す、いわゆる次世代ポストゲノム研究の方向へと向かいつつある。一方で、これまで大学を中心とする我が国のライフサイエンス研究・天然物化学・創薬化学分野などにおいて得られた多くの新手法や貴重な研究成果と情報を、戦略的かつ系統的に活用していく点で弱点を抱えていた。新規な創薬の鍵となる革新的な技術・リード化合物探索法・化合物ライブラリー等の知的財産化、ならびに製薬企業等を中心とする産業界と共有できる有効な研究基盤を早急に整備しなければ、ポストゲノム研究や次世代ポストゲノム研究の具体的成果としての新薬研究開発を今後の我が国において優位に進めることは不可能である。しかも、近年の創薬研究は従来の薬学領域のみならず、生命科学の広い学問領域の最先端の方法論と技術の連携と融合によって初めて円滑に展開できることが明確となっている。すなわちX線回析法やNMRをもとにしたタンパク質の精密な3次元構造情報の獲得、コンピューター科学支援による分子シミュレーション法及び質量分析などによる高速分子探索技術の導入、さらに高度な分子設計技術と精密有機合成法等による候補化合物ライブラリーの構築、バイオイメージングによるターゲット分子の視覚化、これらを総合した分子ライブラリーの創製、これらに基づいた医薬品候補分子のもつ機能の生物学的及び疾患の治療を指向した基礎臨床医学的評価等を、総合的かつ協調して有機的に進めることが一層必要となっている。一方、我が国の医療診断治療機器に関しても、基礎的研究は依然として優れているものの、他国の巨大企業による寡占が進み、国際競争力の低下が加速している。10〜20年後の未来医療技術は、測定機器の高精度化とともに、我が国独自の、特徴のある診断薬の迅速な開発が重要だが、既存の工学系の機器開発分野と、理学薬学系の創薬分野との接点は乏しく、既存分野だけではブレークスルーとなる研究開発は望めない。さらに、診断技術としての評価には実際の患者からの詳細な情報収集やプロトコールに沿った厳密な治験が必要であり、医学部と大学病院も含めた融合が必要となる。
 本拠点化構想では、すでに世界的レベルにある個々の研究を4つのハブとして集積化し、さらにおのおのハブが密接に連携することにより、世界最高レベルの創薬・医療技術開発を行っていく。フロンティア精神と実学の精神の土壌の上に立つ北大と日本を代表する企業それぞれが協働しながら、創薬ネットワークと医療ネットワークがリンクした拠点を構築できれば、本事業の開始から10〜15年後には今までになかった分子生命科学と先進医療機器の融合した統合的拠点を実現できる可能性が高く、本事業の先端融合領域としての将来性と重要性は極めて大きい。
 本拠点には次世代ポストゲノム創薬ハブ、疾患関連タンパク質構造解析ハブ、フォトン・ポジトロンハブ、先端メディカルハブの4つのイノベーションハブを設置し、実践的で効率的な融合研究開発を行い、新たなグローバルスタンダードを創出できる未来創薬・医療研究拠点へと展開していく。


世界トップクラスの未来創薬・医療拠点形成

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