授業レポート

西村吾朗先生 札幌西高出張講義

2016年10月25日(火) 14:10~17:00

「光で生きたまま外から生体組織を見る!」と題して講義がありました。札幌西高校の生徒さん36名が参加しました。なぜ個体レベルで生体を非破壊で見たいのか、複雑な生体の仕組みを生きたままで中まで見れたらよいという話がありました。生体組織を見る非破壊的計測方法としてはX線イメージング、超音波検査があり、核磁気共鳴イメージングがあるという説明がありました。
光はどうでしょうか?X線はなぜ中が見えるのか、光電効果、コンプトン効果というもので中が見えるという説明がありました。光もX線も電磁波の一つで波長やエネルギーが違う、そのうち可視光、近赤外を光と呼んでいて、可視光付近の光について、光吸収の話がありました。中の物質の電子の状況によって光の吸収が左右され、屈折・反射によっても光は曲がる、波の性質もあるので干渉もあり、光には散乱があるという説明がありました。生体組織の吸収としてヘモグロビンの吸収では、0.5μ~1μあたりの波長で吸収され見ることができるという話がありました。
次は、光の散乱についての話です。濁った水の透過スペクトル測定では、濁ってくると色が赤からだいだい色に、そして暗くなり、光の波長の赤い方の600~800㎛あたりが透過してきて、青い光ほど通りにくいという説明がありました。生体組織では、長波長に行くほど散乱が小さいので通りやすく、700㎛~1300㎛あたりの波長が生体を見るのによく使うとのことです。近赤外診断は安全で、脳を対象にして酸素が付いたヘモグロビンを測るなど、脳機能の酸素消費、血流量を測ることで脳の機能が分かるだろうという説明がありました。たくさんの場所で測るとどこで活動しているか分かるということで、脳活動のイメージング例が示され、光ではこのようなものが見えるとのことです。
核磁気共鳴では大きな機械や超伝導磁石が必要だが、光計測では不必要で、光の一番の問題は散乱してしまうということ、これを補正するには、光路長を特定することはできるのではと考えました。1ピコ秒くらいの光を入れると、時間の差がでる、どのくらいの経路を通ったかは分かる、ピコ秒の光計測を行うことで見ることができるのでは、時間応答を測ることで、距離で11センチくらいの差ですが、吸収・散乱の空間分布を逆に構成することで、どこに吸収が増えたかわかるはず、という話で説明は終わりました。
最後に、興味を持ったら北大に来てくださいということで今日の講義は終わりました。

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授業風景その3
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