授業レポート

網塚浩先生 小樽潮陵高出張講義

2016年10月18日(火) 15:50~17:00

「絶対零度の世界」と題して講義がありました。小樽潮陵高の生徒さん40名が参加しました。
最初から実験をするということです。液体窒素をまず見てもらうということで、液体窒素を容器に入れ、風船をふくらませて手袋を付けて、これをマイナス約200度の液体窒素に浸します。どうなるか見てみるとしぼみました。空気が冷やされ体積が小さくなりました。ヘリウムの入っている風船はどうでしょうか。これを液体窒素に浸しても小さくなりません。ヘリウムは液体になる温度が液体窒素より低いため液体になりません。今から108年前に液体ヘリウムを作ることができました。オランダのオンネスという人です。このことでマイナス273度近くでの実験ができるようになりました。さらにオンネスさんは水銀の電気抵抗がゼロになることをつまり超伝導を発見しました。次に液体窒素にゴムボールを浸した後、床に落とすとボールが粉々に砕けました。さらにマシュマロを液体窒素で冷やしてみんなでマシュマロを食べました。マシュマロは小さくしぼみ、鼻からは白い息が出ました。
 次に液体ヘリウムの実験です。ガラスの筒があります。外側は液体窒素を入れる魔法瓶で、内側は液体ヘリウムを入れる魔法瓶で、それぞれ中空断熱真空層で囲まれています。外側に液体窒素を入れ冷やします。内側には液体ヘリウムを入れます。ボンベから液体ヘリウムが送られガラス管に溜まる様子を観察することができます。ヘリウムは4.2ケルビンの状態ですが、さらに温度を下げるため気圧を下げます。すこしずつ温度が下がってくると小さな泡の発生が止まってきます。2.2ケルビンに達すると超流動状態になります。これを相転移と呼びます。超流動ヘリウムは粘性はないけれど表面張力はあります。超流動状態のヘリウムは量子凝縮状態という大きな波として動きます。泡の発生が止み静かな液体になって超流動状態になりました。中のバケツの下にしずくが溜まってその落ちる様子が見えます。中の噴水の容器をヒーターで温めます。超流動状態の中に温度差を与えると流れが生まれる現象で噴水効果と呼びます。5センチぐらいの噴水が上がっている様子を観察ですることができました。
 次に、講義に移りました。オランダ ライデン大学のカマリンオンネス教授の紹介があり、北大のヘリウム液化機の紹介がありました。超伝導現象の発見とノーベル賞、超伝導を利用した磁気浮上の実験、超流動現象、超流動を利用した噴水効果の説明があり、これらは量子効果の現れでボーズ粒子を低温まで冷やすとこのような不思議な現象を起こすという説明がありました。最後に網塚教授の研究の紹介として対称性の概念について説明がありました。低温で電子が一定の方向を向くと対称性が自発的に敗れる、0.01ケルビンまで冷やしていろいろな実験を行っている、固体中電子の新しい秩序、磁気多極子、高次多極子などを調べているという説明があり、現在国家プロジェクトを進めていると話で今日の授業は終わりました。講義の後も液体窒素の周りに生徒さんが集まり、いろいろなものを浸したり、色々な質問を網塚教授、柳沢准教授に投げかけていました。

授業風景その1
授業風景その2
授業風景その3
授業験風景その4
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